ファシリテーションを知っていたら・・・

講師としてファシリテーション研修をしているときに、この事をもし私が20年前に知っていたらどうなったのだろう?と考えるときがあります。

当時の私は会社員、ある会社の開発部門の課長をしていました。
課長といっても、管理的な仕事よりも、プロジェクトの仕事が多くプレイングマネージャーでした。業務(プロジェクト)も課題がたくさんありましたが、会社にも課題がたくさんありました。

業務の方は納期があり緊急度の高い待ったなしの課題が発生します。とはいえ会社の課題も手を付けなければ将来的に大変な事になる重要度の高いものです。
部下の育成も重要度は高いのはわかっているのですが、私含めてメンバーは、みないそがしくなかなか手がまわりません。残業するなといわれても、残業せざるを得ない状況で、次第に疲弊していきました。

ファシリテーションの技術をそのころ私が知っていたらどうなったか?と考えると。

私自身が課長ということで会議をリードする立場にあった事もあり、日々の会議の効率化は図れたと思います。
進捗会議や、問題解決会議、作戦会議などで時間短縮と、結果の質はまちがいなく向上していたと思います。

しかし、それより感じるのは、当時の私の感じていた課題をメンバーで共有し建設的な解決策を考える会議を運営できたのではと感じます。
自ら課題を設定し上と下を巻き込んだ話し合いをデザインする。

ファシリテーションとは会議技術という風に言われますが、”知的相互作用を促進する働き”です。メンバー個々の知識の相互作用で、ひとりだと解決の難しい課題も、もしかしたら解決する道があったのではと感じています。

当時の私は疲弊し独立の道を進むことにしました。しかし今でも、このスキルを持ってあの頃に戻り仲間と共に、会社、組織を少しでも良い方向に進めたかったなと思っています。