有限会社NTX 代表取締役 野口和裕
昭和40年 山口県出身 広島市在住
キャリアのスタートはシステムエンジニアとして一部上場企業や官庁で各種システムの設計に従事。平成16年能力開発研修を業務とする有限会社NTXを立ち上げ、代表取締役就任。現役のエンジニアとして現場感覚を伝える研修には定評がある。専門はチームワークを引き出し組織を活性化させる手法として、ファシリテーション、リーダーシップ、コーチング等の研修や、イノベーションを起こすダイアログ研修、学習する組織など。
特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会 監事
財団法人生涯学習開発財団認定コーチ
著書
◇『SEのための「どこでもやれる力」のつけ方』技術評論社 2008/1/26
◇『病まない組織のつくり方』技術評論社 2019/11/2
寄稿記事
◇『エンジニアをレベルアップさせる「ファシリテーション入門」 』(技術評論社)
◇『SEこそファシリテーションが必要だ』(ITメディア)

人材育成への思い
私がなぜ、人材育成の仕事をすることになったかを、お話します。
私は元々、コンピューターシステムのエンジニアをしておりました。
今から20年前あるプロジェクトに、システム設計担当として参加した事がありました。
そのプロジェクトは人事システムの再構築プロジェクトで、お客様の社員数は日本でも最大級、従って人事システムも日本で最大規模といえるビックプロジェクトでした。
私にとって、このようなビックプロジェクトは初めての経験でした。おまけに人事業務の経験も少なく自分に仕事がこなせるだろうか?と不安を感じていました。

チームリーダー
プロジェクトの主要メンバーは、お客様の関連会社で固められていました。
私は、それらの会社に資本や取引の関係ない会社に属しており、私の会社からは私1名で参画しました。プロジェクトの中にいくつもチームがありましたが、私の属したのは、このプロジェクトの中でも難易度の高い業務を持つチームでした。
このチームのメンバーは8名。各社からベテランSEが集められました。この業務チームを率いるリーダーがOさんでした。
彼のリーダーシップは、皆の先頭に立って引っ張っていくタイプで、忙しいときは深夜に及ぶ作業はもちろん、徹夜も率先してこなし、熱意・情熱・やる気をメンバーに伝染させるような方でした。
そんなリーダーにひっぱられながら、プロジェクト開始から1ヶ月たち私達メンバーに業務の担当が割振られる事になりました。

私に与えられた業務
私にどんな業務が与えられるのか?不安な気持ちで聞いた担当はなんと、このプロジェクトでも目玉といわれていたものでした。
それはお客様社員全員が行う業務をWEB(イントラネット)で行うというシステムの設計でした。
当時、技術の先端、規模としては日本最大級のイントラネットシステムでした。なぜ私が?・・・この設計ができるのは、システムエンジニアとして正に願ってもないチャンスですが、なぜ関連会社でもない私が?釈然としない面持ちの私を前に、Oリーダーはこう言いました・・・
「君はうちの関連会社ではないから、いずれは別れる時がくる、だからせめて、このスキルを持って帰ってくれ」と。
緊張と不安で当時潰れそうになっていた私に、この一言は砂漠に染み入る雨水のように、心に沁みいりました。Oリーダーは、私をただの担当者としてでなく、一人の人として見てくれた・・そのときのうれしさを忘れる事ができません。
私はその時から利害を超えて、若い人や頑張る人を応援したいと思うようになりました。私の人材育成にかけるエネルギーの源は、Oリーダーから頂いた、この一言なのです。
Oリーダー率いる私達のチームは、その後も素晴らしいチームワークで成果を出しました。

私が目指すもの 新時代チームワーク
情報科学で著名なコンサルタント、トム・デマルコはヤル気こそ仕事成功の鍵といいます。また彼はこんな法則を唱えています。
「素晴らしい仕事の一部を担当することは全部を担当するより素晴らしい」
一見この信じがたい法則は、素晴らしいチームの一員で働いた事のある経験をもつ方であれば大いにうなづけるのではないでしょうか?
私が、これまでの経験から言えることは、最高の仕事をしたと感じたときは、最高のチームに属していたときでした。
厳しい状況もありましたが、そこにはいつも頼りになる仲間がいました。みんなががいるから私もできた。私にとっての仕事の醍醐味は、チームワークです。
その後、素晴らしいチームワークを発揮するための研究を重ね、今研修として皆様にご提供できることに喜びを感じております。
部下・社員を操ろうというお客様のサポートはできかねます。また、私はお客なんだからと尊大な態度のお客様もご遠慮願っております。
なぜなら対等のパートナーシップによってのみ、お互い満足のいく結果を出せると信じているからです。
最高の仲間と最高のチームワークを発揮し良い成果を出したいと望まれるお客様でしたら、喜んでお手伝いをさせて頂きます。